絶対に回避したい!不動産の囲い込みへの対策

不動産売却を行うときには、不動産会社に仲介をしてもらい売却活動をします。不動産会社は売買が成立したら成功報酬として仲介手数料を得ています。

不動産会社の多くは売却希望者側の仲介だけでなく購入希望者側の仲介もしていますので、自社で売却と購入のどちらも仲介をし、双方の仲介手数料を得ることが不動産会社としては理想のかたちです。

売却と購入の両方から仲介手数料を得ることを両手取引といい、不動産会社によっては、他社経由の購入検討者に物件を紹介しないなどの悪質な手段で両手取引を狙うところがあります。このような悪質な手段を「囲い込み」といいます。ちなみに、両手取引自体は違法ではありません。

囲い込みは、売却に至るまでの期間が長引くなど、売主側にデメリットが大きいものです。

今回のコラムでは囲い込みを回避するための方法を、事例と併せて紹介します。囲い込みをされているかどうかの見極め方や不動産会社選びのポイントについても紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

囲い込みの主な3パターン

囲い込みの主な3パターン

他社経由での購入がされないように行われる囲い込みは、売主側にとって、買い手が見つかるまでの期間が長くなる、買い手が見つからないことを理由に値下げせざるを得ない状況になることがあるなど、デメリットしかありません。

囲い込みの事例を知ることで、自分の不動産が囲い込みされているかどうかを判断できるようにすることは、売主側も意識しておきたいところです。

レインズに詳細情報を登録しない

不動産会社との仲介契約には、「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」「一般媒介契約」の3種があり、「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」の2つでは仲介を担当する不動産会社には、国土交通大臣指定の不動産流通機構が運営・管理している不動産流通標準情報システムの「レインズ」というサイトへ物件情報を登録する義務があります。

レインズは不動産会社のみが閲覧できるサイトで、これに登録されることにより、他社は売り出し中の物件情報などを知ることができます。

「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」においてレインズに登録しないことは違法になるので、「物件が登録されない」ということは基本的にありません。

しかし、番地までの詳しい住所や、間取り図、写真などの情報を掲載しないことで、物件の魅力を正確に伝えず、「そもそも他社からの問い合わせが起きにくい」状態を故意につくり、囲い込む手法があります。

レインズには写真を登録していないのに、自社サイトではしっかりと掲載しているという状況であれば、明らかに囲い込みだといえるでしょう。

他社からの問い合わせを断る

レインズを見た他社からの問い合わせを受ける際、「商談中」や「今、担当者がいない」などと嘘をついて、物件への内覧や交渉をさせないことで、囲い込む手法があります。

レインズでは物件に対して「公開中」「書面による購入申込あり」「売主都合で一時紹介停止中」の3つのステータスが選べますが、「公開中」以外のステータスに設定して問い合わせが来ないようにされていることもあります。

自社とだけの一般媒介契約をすすめる

専属専任媒介契約や専任媒介契約は1社としか結べませんが、一般媒介契約は、複数の会社と結べます。一般媒介契約では、他社と同時進行で売却活動を行うので、仲介手数料を得られる確約がなく、売却活動へのコストや手間が無駄になってしまう恐れがあるため、基本的に不動産会社は専属専任媒介契約や専任媒介契約を結びたいと思っています。

しかし、近年では、「ウチに任せてください」と言って、自社とだけの契約でありながら、一般媒介契約をすすめてくるパターンがあります。

これは、一般媒介契約にはレインズへの登録義務がないことを利用した新たな囲い込み手法で、レインズに登録されなければ、他の不動産会社に物件が売り出し中であることが知られません。それを利用して「ウチに任せてください」と自社とだけ契約を結ぶようにし、じっくりと自社で買い手を探すという囲い込み手法です。

仲介契約によって、不動産会社に義務付けられる業務が異なる点は、売主にとって少々複雑に感じるかもしれません。詳しい違いは、以下のコラムで丁寧に解説していますので、ぜひご覧ください。

囲い込みを回避するための方法

囲い込みを回避するための方法

囲い込みを回避するためには、以下のような方法で囲い込みが行われているかチェックしたり、囲い込まれない方法をとったりすることが必要です。

「登録証明書」をもらい、レインズをチェックする

レインズへの登録義務がある専属専任媒介契約や専任媒介契約では、レインズに登録されると「登録証明書」を発行してもらえます。

レインズは不動産会社用のサイトなので一般の人は閲覧できませんが、登録証明書に記載されているIDとパスワードを入力すれば売主専用確認画面にログインできます。

これで、自分の不動産がレインズ上でどのように公開されているかが確認できます。住所は番地まで記載されているか、写真や間取り図は登録されているか、ステータスは「公開中」になっているかなどをチェックし、囲い込みがされていないかを判断しましょう。

また、レインズには正しく登録されていても、他社からの問い合わせを「商談中」などと言って断っていないかを確認するためには、他の不動産会社から確認してもらう方法があります。専属専任媒介契約や専任媒介契約では、契約期間中は他の不動産経由での売却はできませんが、相談をすることがNGではないので、不信感を持ったなら、他の不動産会社に相談することも検討してみるとよいかもしれません。

複数の不動産会社と一般媒介契約を結ぶ

1社だけでなく複数の不動産会社と一般媒介契約を結べば、囲い込みは不可能になります。しかし、一般媒介契約は不動産会社にとって仲介手数料を得られなくなるリスクがあるため、積極的に売却活動を行ってくれない可能性があります。立地がよい、築浅であるなどの買い手がつきやすい物件でない限りは、一般媒介契約での不動産売却は難しいでしょう。

不動産売却の成功のためには不動産会社選びが重要!

自身の不動産の早期売却のためには、囲い込みをしない、信頼できる不動産会社を選ぶことが重要になります。これは大手だから必ずしも安心というわけありません。広いネットワークや多くの支店を持つ大手不動産会社だからこそ囲い込みを行っても結果として気づかれにくい、という性質があるからです。

自宅などの不動産の売却は人生のうちに何度も経験することの方が稀です。そのため、知名度だけにこだわらず、ご自身の目で比較し、信頼できる不動産会社を選ぶことをおすすめします。

豊島区・板橋区・埼玉県の不動産売却・買取は地域密着の株式会社カラーズハウスがサポートいたします。弊社は「囲い込みをしない」ことをお客様に宣言しております。

住み替え、相続、離婚、任意売却などについてもお悩みがあればお気軽にご相談ください。

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