2025.05.30 全般

川越市の浸水リスクと不動産売却|ハザードマップ・浸水履歴の確認手順とエリア別の判断

2026年9月30日

川越市の浸水リスクと不動産売却|ハザードマップ・浸水履歴の確認手順とエリア別の判断

 

川越市ハザードマップと不動産売却の判断ポイントを解説するサムネイル画像

 

結論|川越市の水害リスクは「エリアごとに種類が違う」

川越市は「市全域が安全」でも「全域が危険」でもなく、洪水・内水・土砂のリスクがエリアごとに違います。

・洪水(荒川・入間川・新河岸川):市の洪水ハザードマップは1〜10の10分割で、本庁管内・南古谷・古谷・芳野・福原・高階・大東・霞ケ関・川鶴などの地区ごとに公開されています。河川に近い地区は、自分の地区の分割マップで住所ごとに確認が必要です。

・内水(大雨で排水が追いつかない浸水):平成29年の台風第21号では江川流域都市下水路の流域で被害が出ました。寺尾地区周辺は、川越の内水リスクとして名前が挙がるエリアです。

・土砂災害:岸町2丁目・新宿町3丁目・仙波町4丁目の一部が警戒区域等に含まれます。

・売却への影響:想定区域内でも売却はできます。ただし、買主へは重要事項説明で水害ハザードマップ上の所在地が説明されるため、売主が先に把握して開示の準備をしておくことが前提です。

    

 

この記事でわかること

・川越市のハザードマップ4種類の違いと、売却前に最初に開くべき2枚

・川越市の地形(台地・低地・後背湿地)とエリア別のリスクの種類

・過去の浸水履歴の調べ方と、「記録がない=安全」ではない理由

・重要事項説明・告知書・契約不適合責任で、売主が押さえる3つのポイント

・自宅の水害リスクを調べる5ステップ(今日からできる順)


「台風や大雨のたびに、実家の周りが冠水しないか気になる。もし売ることになったら、ハザードマップの色は影響するのだろうか。」川越市にお住まいのオーナーさんや、これから相続で不動産を引き継ぐ方から、こうしたご相談をよくいただきます。


結論からお伝えすると、ハザードマップに色がついていることは、売却できないことを意味しません。問題になるのは、色がついていること自体ではなく、売主がそれを知らないまま売却活動を始めてしまうことです。


この記事では、川越市の公式情報(洪水・内水・土砂災害・地震の各ハザードマップ、浸水履歴、国土交通省の重要事項説明の改正)に基づいて、川越市のエリア別のリスクの違い、売却価格への影響の考え方、売却前に確認する手順を整理します。売ると決めていなくても大丈夫です。まずは「自分の家がどのリスクに当てはまるのか」を知ることから始めましょう。

 

 

 

川越市のハザードマップは4種類|洪水・内水・土砂・地震の違いを先に整理する

 

川越市の洪水・内水・土砂災害・地震ハザードマップ4種類の違いを示す比較インフォグラフィック

 

川越市のハザードマップは「洪水」「内水」「土砂災害」「地震」の4種類に分かれ、売却前に最初に見るべきなのは洪水と内水の2枚です。この2つは名前が似ていますが、水が来る原因が違うため、同じ場所でも結果が異なることがあります。

 

 

洪水ハザードマップ|荒川・入間川・新河岸川があふれた場合

 

洪水ハザードマップは、川があふれたり堤防が壊れたりした場合の浸水を示す地図です。川越市の洪水ハザードマップ(想定最大規模)は、「荒川及び入間川流域」と「新河岸川流域」の洪水浸水想定区域を対象にしています。複数の河川の浸水想定区域を重ね合わせ、各地点の最大の浸水深を示している点が特徴です。
市の公式ページによると、現在の版は2022年6月更新で、市全域を1〜10の10分割のマップでカバーしています。市は「実際の洪水が常に想定どおりの結果になるとは限らない」としたうえで、避難の目安として使うよう案内しています。売却前の確認では、「色がついているか」だけでなく、「自分の住所がどの分割マップのどこか」まで特定しておくと、その後の説明がスムーズです。
実際のマップは、次の方法で確認できます。住所から直接探すなら小江戸川越マップ、地区ごとに紙の地図と同じ形で見るなら分割マップのPDFが便利です。10分割のうち、自分の地区がどの番号にあたるかを下の表で確認してから、PDFを開いてください。

 

分割番号 対象地区(市公式の表記) マップ(PDF)
1 本庁管内、南古谷地区西部ほか  洪水マップ1を開く
2 本庁管内北東部、芳野地区、古谷地区北部  洪水マップ2を開く
3 芳野地区南部、古谷地区、南古谷地区北部  洪水マップ3を開く
4 古谷地区南部、南古谷地区、高階地区東部  洪水マップ4を開く
5 本庁管内南部、南古谷地区南西部ほか  洪水マップ5を開く
6 福原地区南部  洪水マップ6を開く
7 本庁管内南西部、福原地区北西部ほか  洪水マップ7を開く
8 大東地区西部、霞ケ関地区、川鶴地区ほか  洪水マップ8を開く
9 川鶴地区北部、霞ケ関北地区北部ほか  洪水マップ9を開く
10 本庁管内北部、芳野地区西部ほか  洪水マップ10を開く

 

▼ 小江戸川越マップ|洪水ハザードマップ(想定最大規模)を住所から開く
http://www2.wagmap.jp/kawagoe/G0303A

 

▼ 川越市公式|水害ハザードマップ(洪水・内水の全域図PDFもこのページから開けます)
https://www.city.kawagoe.saitama.jp/kurashi/anshin/1001545/1001576/1001578.html

 

 

内水ハザードマップ|大雨で排水が追いつかない場合

 

内水ハザードマップは、川があふれていなくても、大雨で下水道や水路の排水が追いつかず、市街地に水がたまる場合の浸水を示す地図です。川越市は令和5年10月2日に、内水ハザードマップを水防法の規定に基づくものへ変更しました。想定している降雨は、1時間あたり153ミリの想定最大規模です。
内水は、川から離れた場所でも起こります。川沿いではないから安心だと考えていた方が、大雨で冠水して初めて内水の存在を知るケースは少なくありません。洪水マップと内水マップは、必ずセットで確認してください。
内水ハザードマップも、洪水と同じ1〜10の10分割で公開されています。全域図は次のPDFで開けます。地区ごとの分割図は、前述の市公式ページから選べます。

 

▼ 川越市公式|内水ハザードマップ(全域図PDF)

https://www.city.kawagoe.saitama.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/001/578/00naisui.pdf

 

 

内水ハザードマップ|大雨で排水が追いつかない場合

 

内水ハザードマップは、川があふれていなくても、大雨で下水道や水路の排水が追いつかず、市街地に水がたまる場合の浸水を示す地図です。川越市は令和5年10月2日に、内水ハザードマップを水防法の規定に基づくものへ変更しました。想定している降雨は、1時間あたり153ミリの想定最大規模です。


内水は、川から離れた場所でも起こります。川沿いではないから安心だと考えていた方が、大雨で冠水して初めて内水の存在を知るケースは少なくありません。洪水マップと内水マップは、必ずセットで確認してください。

 

 

土砂災害・地震ハザードマップ|台地の縁や急傾斜地に近い家

 

土砂災害ハザードマップは、埼玉県が指定した土砂災害警戒区域・特別警戒区域を示す地図です。川越市では、岸町2丁目、新宿町3丁目、仙波町4丁目の一部が対象に含まれます。地震ハザードマップは、埼玉県の被害想定調査に基づく揺れやすさ等を示すもので、水害とは別の観点で確認します。

急傾斜地や斜面の近くにお住まいの場合は、土砂災害警戒区域の家の売却について、別の記事で詳しく整理しています。
イエローゾーン・レッドゾーンにかかる家の売却で、事前に知っておきたい注意点をまとめています。

 

▶ 土砂災害警戒区域の家は売れる?売却前に確認したい注意点

 

 

4種類の違いと、川越市での確認先

 

4種類の違いを、一覧で整理します。

種類 何を示すか 主な確認先
洪水 荒川・入間川・新河岸川があふれた場合の浸水(想定最大規模) 川越市公式サイト・小江戸川越マップ・市の水害ハザードマップ冊子
内水 大雨で下水・水路の排水が追いつかない場合の浸水 川越市公式サイト・小江戸川越マップ・水害ハザードマップ冊子
土砂災害 急傾斜地の崩壊等のおそれがある警戒区域・特別警戒区域 川越市土砂災害ハザードマップ
地震 埼玉県の被害想定調査に基づく揺れやすさ等 川越市地震ハザードマップ

 

水害ハザードマップの冊子は、市の担当課(事業計画課・防災危機管理室・河川課)や各市民センターで閲覧できます。オンラインでは、川越市公式サイトと「小江戸川越マップ」で確認できます。配布や閲覧の詳細は、防災危機管理室(049-224-5554)に問い合わせると確実です。

▼ 川越市公式|ハザードマップ一覧

https://www.city.kawagoe.saitama.jp/kurashi/anshin/1001545/1001576/index.html

 

 

 

川越市を「台地・低地・後背湿地」で読む|エリアごとにリスクの種類が違う理由

 

画像:川越市の台地・低地・後背湿地の地形断面とエリア別リスクの種類を示す図解

 

川越市のリスクがエリアで違うのは、市内に「台地」と「河川沿いの低地」が並び、水の集まり方が場所ごとに違うからです。地形を先に押さえておくと、ハザードマップの色の意味を自分で読み解けるようになります。

 

 

川越市の地形|中央は武蔵野台地、東部は荒川低地

 

埼玉県の都市計画資料によると、川越の中央部には武蔵野台地が、東部には荒川低地が広がっています。河川は、東部に荒川、北部に市野川、中央部に新河岸川・入間川・越辺川、西部に小畔川・高麗川などが流れています。市街地の多くがのる台地は、川があふれても水が届きにくい高さにあるのが一般的で、洪水のリスクは相対的に低い傾向があります。


一方で、台地の上でも内水のリスクはなくなりません。低い場所へ雨水が流れ込む地形の窪みや、排水の能力を超える豪雨があれば、台地の上にも水はたまります。台地だから安全という単純な読み方は避けてください。

 

 

河川沿いの低地・自然堤防・後背湿地

 

河川沿いの低地は、洪水のリスクを最も意識すべき場所です。埼玉県の土地分類調査報告書(川越)は、荒川低地について、古い荒川・入間川・越辺川が流路を変えながら形づくった低地で、自然堤防が発達し、その背後に後背湿地が広く分布すると記しています。入間川は川越付近で幅3km程度の細長い低地をつくっているとされています。


自然堤防は周囲より少し高く、その背後の後背湿地は低くて水が集まりやすい、という高低差が同じ低地の中にあります。同じ地区でも、町内の数十メートルの違いで浸水深が変わることがあるため、地区名だけで判断せず、住所単位で確認するのが基本です。

 

 

エリア別のリスクの整理

 

市の公式資料や県の指定から確認できる範囲で、エリアごとの主なリスクの種類を整理します。

 

エリア 主なリスクの種類 確認のポイント
南古谷・古谷・高階・大東などの河川沿い 洪水(荒川・入間川流域) 洪水ハザードマップの分割図で、住所ごとの浸水深を確認する
寺尾地区周辺(江川流域) 内水(大雨時の排水) 内水ハザードマップと、過去の浸水履歴の両方を確認する
岸町2丁目・新宿町3丁目・仙波町4丁目の一部 土砂災害 警戒区域か特別警戒区域かを、土砂災害ハザードマップで確認する
台地上の市街地 洪水は相対的に低い傾向。内水は別に確認 内水マップと浸水履歴で、窪地・低い場所に当たらないか確認する


    
この表は、リスクの「種類」を示すものです。浸水の深さや、その場所で起こる被害の程度は、ここでは断定できません。深さは必ず、市の公式ハザードマップで住所ごとに確認してください。

川越市の売却相場は、エリアによって動き方が違います。リスク以外の要素(駅距離・再開発・地価)も含めて、5エリア別の売り時を整理した記事も参考になります。

川越市の5エリアで、売り時と相場の見方がどう違うかを整理しています。

 

▶ 川越市の不動産売却相場|エリア別に売り時をチェック

 

 

 

過去の浸水履歴の見方|想定区域外でも「履歴がある」ことがある

 

浸水履歴は、ハザードマップの想定区域とは別の情報であり、想定区域外でも過去に浸水した場所は存在します。売却前の確認では、この履歴まで見ておくことが、買主に信頼される説明につながります。

 

 

川越市の浸水履歴はどこまで遡れるか

 

川越市が公開している浸水履歴は、平成10年8月28日の集中豪雨から令和6年8月29日の集中豪雨までの被害履歴を参考に作成されています。PDFで提供され、個人情報の保護のため、地番は10番地単位でまとめられています。


つまり、履歴で確認できるのは「そのあたりで過去に浸水があったか」であり、自分の敷地のピンポイントの被害ではありません。履歴に記載がなくても、敷地が低い、前面道路より下がっているなど、個別の条件で水がたまりやすい場合があります。

 

 

内水被害の例|平成29年台風第21号

 

過去の内水被害の例として、平成29年10月の台風第21号があります。川越市とふじみ野市の行政界にまたがる江川流域都市下水路の流域で、内水が滞留したことによる浸水被害が生じました。市はこの原因と今後の内水対策を調べるため、「川越市台風第21号内水浸水検証委員会」を設置して調査審議を行っています。


内水被害は、川の水位が低くても、市街地の排水が間に合わなければ起きます。この事例は、川から離れたエリアでも「ハザードマップの洪水の色がついていないから安心」とは言えないことを示しています。

 

 

「記録がない」と「安全」は同じ意味ではない

 

浸水履歴に載っていないことは、水害に遭わないことの保証ではありません。履歴は過去の記録であり、想定を超える豪雨では、過去に浸水したことのない場所にも水は来ます。
一方で、履歴に記載がある場合でも、それが売却の致命傷になるわけではありません。大切なのは、履歴を把握したうえで、買主に正確に伝えることです。履歴の確認方法は、次の手順で進めると迷いません。


 ① 川越市公式サイトの水害ハザードマップ(洪水・内水)で、自宅の住所を確認する


 ② 浸水履歴のPDFで、自宅周辺の10番地単位の記録を確認する


③ 地点別浸水シミュレーション検索システム(浸水ナビ)で、地点ごとの浸水の状況を確認する


④ 不明点は防災危機管理室 防災担当(049-224-5554)に問い合わせる

 

▼ 川越市公式|水害ハザードマップ
https://www.city.kawagoe.saitama.jp/kurashi/anshin/1001545/1001576/1001578.html

 

履歴を確認する際は、ご家族や近隣の方から「この道が冠水したことがある」「床下まで水が来た」といった話が聞けるなら、それも書き留めておいてください。公式の記録に出てこない情報が、後の告知や価格の説明で役に立ちます。

 

 

 

ハザードマップは売却価格にどう影響する?「売れる」ための考え方

 

浸水想定区域の中でも不動産は売れますが、その前提は「リスクを隠さず開示し、価格と売り方を現実に合わせること」です。色がついた家を高く売ろうとして、リスクに触れない売り方をすると、かえって契約直前の失速や、引渡し後のトラブルにつながります。

 

 

「一律に下がる」という公的な基準はない

 

浸水想定区域にあることで、売却価格が「何%下がる」と定めた公的な基準はありません。実際の価格への影響は、想定される浸水の深さ、建物の階数や構造、避難のしやすさ、周辺の需要によって変わります。


同じ「色がついた」物件でも、浸水が想定される深さが浅く、2階に生活の拠点を置ける戸建てと、深い浸水が想定される平屋では、買主の受け止め方は大きく違います。ハザードマップの色を見るだけでは、売れるか売れないかも、価格の下がり方も決まりません。

 

 

買主が見ているのは3点

 

買主が水害リスクについて確認するのは、主に次の3点です。売主がこの3点に先回りして答えられるよう準備しておくと、交渉が進みやすくなります。


・想定される浸水の深さ:何メートルの浸水が想定されているか


・避難のしやすさ:避難所までの経路と、垂直避難(2階以上への避難)の可否


・火災保険の水災補償:水災補償の付け方と保険料の目安


保険料や補償の条件は、地域や契約内容によって変わります。売却前に保険会社へ見積りを取り、「この家を買うといくらの保険料になるか」を答えられる状態にしておくと、買主の不安を具体的に減らせます。

 

 

状況別|相続・空き家・住み替えで変わる考え方

 

相続した実家の場合は、住んでいた家族に浸水の記憶や記録があるかを先に確認します。空き家の場合は、管理が行き届いていないと、想定外の被害を受けた際に発見が遅れます。住み替えの場合は、売却と購入の両方でハザードマップを確認し、買う家のリスクも同じ基準で比べてください。

 

 

仲介で売るか、買取で売るか|リスクのある家の売り方

 

浸水リスクのある家は、仲介と買取のどちらでも売却できますが、向き不向きがあります。仲介は、買主が水害リスクを理解したうえで購入するため、時間をかけて相場に近い価格を目指せる一方、買主の判断が慎重になり、売却までの期間が読みにくくなります。買取は、不動産会社が水害リスクを織り込んで価格を決めるため、価格は仲介より低くなりやすい反面、早く確実に現金化でき、引渡し後の契約不適合責任の負担も軽くできる場合があります。
どちらが有利かは、急ぐ理由の有無と、物件の浸水想定の深さで決まります。まず両方の見積りを取り、手元に残る金額と期間を並べて比べてください。

 

自宅がどの区域に入るか、LINEで先に確認しませんか

住所と気になっている点をお送りください。ハザードマップ上の位置と、売却に関わる注意点を一緒に整理します。売ると決めていなくても大丈夫です。

LINEで自宅の浸水想定を相談する

 

「区域内だから」とあきらめる前に、売却の進め方や価格の見立てを整理した記事もあわせて読んでみてください。
水害リスクのある家でも、開示と伝え方の工夫でどう売るかを整理しています。

▶ ハザードマップの色がついた家でも高く売る戦略

 

 

 

売却時に必要な説明と告知|重要事項説明・告知書・契約不適合責任
 

 

重要事項説明で水害ハザードマップの所在地が説明されるまでの流れを示すタイムライン図解

 

2020年8月28日から、不動産取引の重要事項説明で、水害ハザードマップ上の物件の所在地を説明することが宅地建物取引業者に義務づけられています。この説明は、買主に対して仲介会社が行うものですが、売主にも大きく関わります。

 

 

重要事項説明で何が説明されるか

 

国土交通省の発表によると、改正で追加されたのは「水防法の規定に基づき作成された水害ハザードマップにおける対象物件の所在地」です。対象は洪水・雨水出水(内水)・高潮のハザードマップで、市町村が配布する印刷物、または市町村のホームページに掲載されているものを印刷した、入手可能な最新のものを使います。


物件が浸水想定区域に入っていなくても、水害リスクがないと買主が誤認しないよう配慮したうえで、ハザードマップ上の位置を示すことになっています。つまり、川越市の物件は区域の内外を問わず、売買の場面でハザードマップ上の位置が必ず買主の目に触れる、ということです。

 

▼ 国土交通省|宅地建物取引業法施行規則の改正(水害ハザードマップの説明の義務化)
https://www.mlit.go.jp/report/press/totikensangyo16_hh_000205.html

 

 

売主が告知書で書くべきこと

 

重要事項説明とは別に、売主は物件の状態について買主へ告知する書面(物件状況報告書・告知書)を作成します。過去に浸水や冠水を経験している場合は、その事実を正直に書くのが基本です。
浸水の記憶があるのに記載しないまま売却すると、引渡し後に買主から責任を問われる可能性があります。「いつ、どの程度、どんな被害だったか」を、覚えている範囲で記録しておいてください。曖昧な場合は、その旨をそのまま伝えたほうが、後の紛争を避けられます。

 

 

契約不適合責任と免責特約の考え方

 

売主が負う契約不適合責任は、物件が契約の内容に適合しない場合に、修補や代金の減額などの責任を負う仕組みです。水害に関する情報を開示したうえで、その内容を契約書に明記しておくと、後日の争いを防ぎやすくなります。


免責特約の効力は、売主が知っていた事実を告げたかどうかで大きく変わります。売主が知っていながら告げなかった事実については、免責の特約があっても責任を免れられない場合があります。個別の事情に応じた判断は、専門家への確認が必要です。
契約不適合責任の免責特約が「効く場合・効かない場合」を、例文つきで整理しています。

 

▶ 契約不適合責任の免責特約が無効になる条件と例文

 

 

 

売却前の確認手順|自分の家のリスクを調べる5ステップ 

 

売却前に自宅の水害リスクを調べる5ステップの確認手順を示すステップ図解

 

売却前の確認は、「住所を特定する→2枚のマップを見る→履歴を見る→記録に残す→不動産会社に共有する」の5ステップで、順番に進めれば迷わず終えられます。

 

 

今日からできる5ステップ

 

STEP1|住所を特定する:登記簿上の地番と、住居表示の両方を控える(履歴は10番地単位のため)


STEP2|洪水と内水の2枚を見る:川越市公式サイトまたは小江戸川越マップで、自宅の色と浸水深を確認する


 STEP3|浸水履歴と浸水ナビを見る:履歴PDFで周辺の記録を確認し、浸水ナビで地点ごとの状況を見る


STEP4|土砂・地震も確認し、記録に残す:画面の保存や印刷で、確認した日付とともに保管する


STEP5|不動産会社へ共有する:確認結果と、家族から聞いた過去の浸水の話をそのまま伝える


STEP5で重要なのは、リスクを「隠す」のではなく「先に渡す」姿勢です。不動産会社が結果を把握していれば、販売活動の段階で買主の質問に先回りして答えられます。

 

 

確認チェックリスト

 

売却の相談に入る前に、次のチェックリストで抜け漏れがないかを見てください。


・洪水ハザードマップ(想定最大規模)で、自宅の色と浸水深を確認したか


・内水ハザードマップで、自宅周辺の色を確認したか


・浸水履歴PDFで、周辺の10番地単位の記録を見たか


・土砂災害警戒区域に入っていないか確認したか


・過去に冠水・浸水したことを、家族や近隣に聞いたか


・火災保険の水災補償の有無と、保険料を確認したか


・確認した内容を、日付つきで保存したか


すべてに「はい」と答えられなくても構いません。空欄が多いほど、これから確認すべきことが見えてきます。

 

 

確認後の流れ|相談から売却までの目安

 

確認が終わったら、不動産会社への相談へ進みます。相談の段階では、まだ売ると決めなくて構いません。相談では、確認結果をそのまま伝えたうえで、売却活動を始める時期と進め方を一緒に決めます。

相談で伝えた結果をもとに、①価格の見立て、②開示資料の準備、③売り方(仲介か買取か)の順に検討します。全体の流れは、売却の9ステップで整理した記事も確認してください。
売却の準備から引渡しまでを、9ステップの流れで確認できます。

 

▶ 不動産売却の流れを9ステップで確認する

 

 

 

台風・大雨の前後に確認したいこと|避難と売却の優先順位

 

台風や大雨が近づいているときは、売却の検討より先に、避難と安全の確保を最優先してください。売却の相談は、災害が落ち着いてからで遅くありません。

 

 

台風・大雨の前に|避難の準備を先に

 

台風シーズンの前に、避難所までの経路、垂直避難の場所、家財や重要書類の保管場所を確認します。ハザードマップで自宅が浸水想定区域に入っている場合は、大雨の際に避難を判断するタイミングを、家族で先に決めておきます。避難情報は川越市公式サイトや気象庁の情報で確認してください。

 

 

情報の入手先|川越市公式サイトの緊急情報を確認する

 

大雨や台風の最中に見る情報は、川越市公式サイトの緊急情報、気象庁の情報、避難情報の3つを軸にします。ハザードマップは「もしも」を想定した地図であり、その時点の危険度を示すものではないため、避難の判断は、市が発表する最新の避難情報を優先してください。
平時にしておくと役立つのは、自宅の洪水・内水の色と、避難先の位置を、スマートフォンで保存しておくことです。災害時は通信が混み合うことがあるため、画像として保存しておくと確認しやすくなります。

 

 

被害に遭った後の売却|保険と売却の順序

 

被害に遭った後に売却を考える場合は、火災保険の水災補償による保険金の請求と、売却の順序を確認してください。保険金の扱いや、補修をしてから売るか現状のまま売るかは、契約内容と被害の程度で変わります。売買契約を結ぶ前に、保険会社と不動産会社の両方に確認しておくと安心です。

 

 

まとめ|川越市の水害リスクは「調べて、伝えて、決めなくていい」

 

川越市の水害リスクは、地形によってエリアごとに種類が違い、売却の可否は色ではなく、把握と開示で決まります。まず洪水と内水の2枚のマップと浸水履歴を確認し、結果をそのまま不動産会社に共有することが、最初の一歩です。

 

 

 

よくある質問

 

Q.川越市 ハザードマップ どこでもらえる?

 

A.川越市の水害ハザードマップ冊子は、市の担当課や各市民センターで閲覧でき、川越市公式サイトと小江戸川越マップでも見られます。冊子の配布状況は時期によって異なるため、確実に入手したい場合は防災危機管理室(049-224-5554)に確認してください。オンライン版で住所を確認し、印刷して保管する方法が最も手軽です。

 

 

Q.川越市の浸水履歴は、どこで確認できますか?

 

A.川越市公式サイトで、平成10年8月28日から令和6年8月29日までの浸水履歴がPDFで公開されています。地番は10番地単位でまとめられているため、自分の敷地そのものの被害ではなく、周辺の記録として読みます。履歴に記載がなくても安全とは限らないので、洪水・内水ハザードマップと合わせて確認してください。

 

 

Q.洪水ハザードマップと内水ハザードマップは何が違いますか?

 

A.洪水は川があふれた場合、内水は大雨で下水や水路の排水が追いつかない場合の浸水を示します。川越市の内水ハザードマップは、令和5年10月2日に水防法に基づくものへ変更され、1時間あたり153ミリの想定最大規模を前提にしています。川から離れた場所でも内水は起きるため、両方を確認してください。

 

 

Q.浸水想定区域の家は売れませんか?

 

A.浸水想定区域の中でも売却はできます。ただし、リスクを開示し、価格と売り方を現実に合わせることが前提です。一律の減額率を定めた公的な基準はなく、浸水の深さ、建物の構造、避難のしやすさで影響が変わります。売却前に住所ごとの浸水深を確認し、その結果を不動産会社に共有してください。

 

 

Q.売却のときに、ハザードマップの説明は必要ですか?

 

A.必要です。2020年8月28日から、重要事項説明で水害ハザードマップ上の物件の所在地の説明が、宅地建物取引業者に義務づけられています。浸水想定区域の外の物件でも、位置を示す説明は行われます。売主は、過去の浸水の事実を告知書に正直に記載し、必要に応じて不動産会社へ事前に共有してください。

 

 

 

【監修者より】代表・川野元基からのメッセージ

 

代表取締役・川野 元基
代表・川野 元基

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

株式会社カラーズハウス代表の川野元基です。

「住宅ローンが払えない」という状況は、誰のせいでもないことがほとんどです。病気、離婚、収入の減少、誰にでも起こりうる事情です。私はセンチュリー21在籍15年の経験と、不動産売却SOS相談センター元相談員としての立場から、「売れればいい」ではなく「あなたにとっての最善を一緒に設計する」ことを大切にしています。川越市での実績をもとに、まず状況を聞かせてください。相談したことを後悔させない自信があります。


水害リスクの確認は、台風や大雨の前に済ませておくほど選択肢が広がります。今の段階で調べておくことが、売る場合も売らない場合も最善の判断につながります。


川越市の水害リスクや不動産売却に関するご相談は、以下からお気軽にどうぞ。売ると決めていなくても、現状を整理するだけでも構いません。


売ると決めなくても、まずは自分の家がどのリスクに当たるのかを知ることから始めてください。川越市・板橋区の地形とハザードマップを踏まえて、状況に合わせてお答えします。

 

 

読み終えた今が、最初の一歩を踏み出すタイミングです

ハザードマップの色を確認することは、売却の判断を急ぐことではありません。まず金額だけ知りたい方も、水害リスクが気になる方も、状況に合わせてお答えします。

売ったらいくらか、無料で試してみる LINEで気軽に聞いてみる

株式会社カラーズハウス 代表取締役
川野 元基(かわの げんき)

プロフィール・保有資格:

株式会社カラーズハウス 代表取締役
センチュリー21フランチャイズ加盟店 在籍12年
全国不動産売却安全取引協会認定「おうち売却の達人」
NPO法人不動産売却SOS相談センター 元相談員
宅地建物取引士 / 賃貸不動産経営管理士
1級建物アドバイザー / ホームステージャー2級
不動産写真マイスター

著書

電子書籍『売却前の勝負! 不動産売却のための完全ガイド』

メディア掲載

Business Journal「高額査定はしない」と公言する不動産仲介、それでも板橋・川越で選ばれる理由

【おうち売却の達人】「地域密着」から「顧客密着」へ、難易度の高い案件を解決して感謝を届ける