2025.05.30 全般

契約不適合責任の免責特約とは?売主が知るべき無効になる条件と例文

2026年8月26日

契約不適合責任の免責特約とは?売主が知るべき無効になる条件と例文

 

 

契約不適合責任の免責特約とは何かを図解した板橋区・川越市の不動産売却サムネイル画像

 


板橋区・川越市で不動産を売却するとき、「引き渡した後に雨漏りやシロアリが見つかったら、自分が修理費を払うことになるのか」と不安になる方は少なくありません。この責任を「契約不適合責任」といい、契約書に「免責特約」を入れることで売主の負担を軽くできる場合があります。ただし、免責特約は誰にでも同じように使えるわけではありません。売主が個人か宅建業者かによって有効性が大きく変わり、条件を誤ると特約自体が無効になることもあります。
 

この記事では、免責特約の仕組みから無効になる3つの条件、契約書に書く際の文例、さらに免責特約のリスクを補う既存住宅売買瑕疵保険まで、宅地建物取引士の資格を持つ担当者の専門家視点で解説します。

 

 

契約不適合責任とは?免責特約でなぜ売主の負担が変わるのか

 

契約不適合責任とは、引き渡した不動産が契約書に記載した内容と食い違っていた場合に、売主が負う責任のことです。2020年4月の民法改正で、それまでの「瑕疵担保責任」が「契約不適合責任」に変わり、売主の責任範囲がより明確になりました。買主は不具合を発見すると、修補請求・代金減額請求・契約解除・損害賠償請求のいずれか、または複数を売主に求めることができます。免責特約は、この4つの請求権をあらかじめ制限または免除する取り決めです。

 

 

契約不適合責任と瑕疵担保責任の違い(旧法との比較)

 

旧法の瑕疵担保責任は「隠れた瑕疵」がある場合に限り、買主は損害賠償請求と契約解除しかできませんでした。契約不適合責任では「契約内容と違う」という基準に変わり、買主が請求できる手段も修補請求・代金減額請求が新たに加わっています。つまり、売主から見ると、以前より請求される可能性のある場面が広がったということです。

 

区分 対象 買主が請求できる手段
旧法(瑕疵担保責任) 隠れた瑕疵のみ 損害賠償・契約解除の2つ
新法(契約不適合責任) 契約内容との不一致 修補・代金減額・解除・損害賠償の4つ

 

このように請求の幅が広がったからこそ、免責特約によって売主の負担範囲をあらかじめ線引きしておく重要性が増しています。重要なのは、「契約不適合」かどうかは物件の物理的な状態だけで決まるのではなく、契約書・重要事項説明書・付帯設備表に何が書かれているかによって判断される点です。たとえば給湯器が故障していても、それを契約書に明記し「故障品として現状有姿で引き渡す」と合意していれば、そもそも契約不適合には当たりません。逆に「正常に動作する」と説明しておきながら実際は故障していれば、契約不適合に該当します。免責特約を検討する前に、まず契約書・重要事項説明書・付帯設備表の記載内容を正確にすり合わせることが出発点になります。

 

 

契約不適合責任の期間(引き渡しから1年が原則、消滅時効にも注意)

 

 

 

民法上、買主は契約不適合を知った時から1年以内に売主へ通知しなければ、権利を失うのが原則です。ただし、これは「知った時から1年」であり、引き渡しから1年ではない点に注意が必要です。極端な場合、引き渡しから5年後に不具合に気づけば、そこから1年間は請求が可能ということになります。売主にとって、この期間の長さがどれほどの負担になり得るかは後述する免責特約の重要性に直結します。

なお、この1年の期間制限はあくまで「通知期限」であり、実際の権利行使自体は別途消滅時効にもかかっています。消滅時効には2つの起算点があり、買主が契約不適合を知った時から5年(主観的起算点)、または引き渡しを受けた時から10年(客観的起算点)のいずれか早い方で権利が消滅します。つまり、通知さえ1年以内にしておけば、その後の交渉や訴訟提起には最長で通知から数年程度の猶予があるということです。売主としては「通知さえ来なければ安全」と誤解せず、通知期限と消滅時効は別のルールであることを押さえておく必要があります。

 

 

免責特約とは?仲介売買での使われ方と契約書の文例

 

免責特約とは、売買契約書に「売主は契約不適合責任を負わない」という一文を盛り込み、引き渡し後に見つかった不具合について、修補や賠償の請求を受けないようにする取り決めです。とくに築年数の古い住宅や、売主自身が長く住んでいない相続物件では、内部の状態を完全に把握しきれないケースが多いため、免責特約を活用する売主が増えています。

 

 

免責特約の基本的な仕組み

 

免責特約は、契約書の特約事項欄に明記することで効力を持ちます。口頭での合意だけでは、後のトラブル時に「言った・言わない」の争いになるため、必ず書面に残すことが前提です。免責の範囲は「全部免責」と「一部免責」に分けられ、一部免責では「雨漏りのみ免責」「シロアリ被害のみ免責」のように対象を限定することもできます。

 

・全部免責:契約不適合責任の全項目(修補・代金減額・解除・損害賠償)を免除
・一部免責:特定の不具合(雨漏り、給排水設備など)に限定して免除
・期間限定免責:引き渡しから一定期間(3か月など)のみ責任を負う設定

 

なお、免責特約とよく混同される言葉に「現状有姿(げんじょうゆうし)」があります。現状有姿とは「物件を今ある状態のまま引き渡す」という条件のことで、免責特約とセットで使われることが多いものの、両者は別の概念です。現状有姿は「見た目や状態を変えずに引き渡す」という約束であり、免責特約は「その状態に起因する不具合について責任を負わない」という約束です。現状有姿と明記しただけでは免責の効力は生じないため、免責にしたい場合は必ず免責特約を別途明記する必要があります。

売却を検討する際、「何を隠しているのではなく、正直に開示した上でその責任範囲を線引きする」という発想が免責特約の本質です。この開示の実務については、告知書の書き方を扱った別記事で詳しく解説しています。

 

売主が知っている不具合をどこまで、どう書面に残すべきかは、免責特約とセットで押さえておきたい実務です。

 不動産売却の契約不適合責任・雨漏り対策!告知書の書き方

 

 

契約書に記載する免責特約の文例

 

実際の契約書では、以下のような文言が使われます。

 

【文例①:全部免責】

「売主は買主に対し、本物件の引渡し完了をもって、契約不適合責任を一切負わないものとする」

 

【文例②:一部免責】

「売主は、本物件の給排水設備及び雨漏りに関する契約不適合責任については免責とし、その他の契約不適合については民法の定めに従うものとする」

 

【文例③:期間限定免責】

「売主は、本物件の引渡し完了日から3か月間に限り契約不適合責任を負うものとし、当該期間経過後は一切の責任を負わないものとする」


【文例④:告知書・設備表連動型】

「本物件は付帯設備表及び告知書に記載の不具合を含め、現状有姿にて引き渡すものとし、売主は当該記載事項に起因する契約不適合責任を負わないものとする。ただし、売主が知りながら告知書に記載しなかった事項については、この限りでない」

 

文例④のように、告知書・付帯設備表に記載した内容と免責の範囲を連動させる書き方は、「開示した上で線引きする」という免責特約の本質に最も忠実な形であり、実務でも多く採用されています。ただし、これらの文例をそのまま使えば必ず有効になるわけではありません。次章で解説する通り、売主の立場によっては、こうした特約自体が無効と判断される場合があります。

 

 

まずは現状を知ることから始めませんか

売るかどうかはまだ決めなくていい。免責特約を使うべきかどうかも、物件の状態次第です。まずはLINEで気軽にご相談ください。

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【重要】売主の立場で免責特約の扱いが変わる
 

 

個人間売買・宅建業者・買取業者で契約不適合責任免責特約の有効性が変わることを比較したインフォグラフィック


免責特約が有効になるかどうかは、売主が「個人」か「宅建業者」かで結論がまったく異なります。宅建業者が売主の場合、法律で免責の範囲に下限が定められているため、契約書に何を書いても無効になることがあります。

 

売主の立場 免責特約の有効性
個人間売買(売主・買主とも個人) 原則、双方が合意すれば全部免責も有効
売主が宅建業者 宅地建物取引業法40条により、引き渡しから2年未満に短縮する特約は無効
売主が買取業者(宅建業者)に売る場合 買主側の業者が免責を前提に価格提示するのが一般的

 


個人間売買の場合|原則、合意すれば全面免責が可能

 

売主・買主のどちらも個人である仲介売買では、民法上、双方の合意があれば全部免責の特約も有効です。板橋区・川越市で相続した実家を売却するケースの多くがこれに該当します。ただし、合意していても後述する「知りながら告げなかった」場合は無効になるため、免責特約があるからといって不具合を隠してよいわけではありません。

なお、個人であっても複数の相続不動産を短期間で反復して売却しているようなケースでは、実質的に「事業として行っている」とみなされ、宅建業者に近い扱いを受ける可能性がある点には注意が必要です。相続で複数の物件を取得し、まとめて売却するようなケースでは、念のため仲介会社に立場の整理を確認しておくと安心です。

 

 

売主が宅建業者の場合|宅建業法40条で「2年未満の免責」は無効

 

売主が宅地建物取引業者である場合、宅地建物取引業法40条により、引き渡しから2年未満に責任期間を短縮する特約は無効となります。条文の趣旨を平たく言うと、「宅建業者が売主のときは、契約不適合責任について民法の原則よりも買主に不利な特約を結んではならない。ただし引き渡しから2年以上の期間を定める特約は例外的に有効」というものです。つまり「全部免責」や「3か月のみ責任を負う」といった特約は、宅建業者が売主のときは効力を持ちません。これは買主を保護するための強行規定であり、契約書にどう書いても覆すことはできません。

この規定が設けられている背景には、宅建業者は一般消費者より圧倒的に情報・交渉力で優位に立つため、対等な合意とはみなされにくいという考え方があります。同じ「売主」でも、個人か事業者かで法律上の保護の厚さがまったく異なる点を押さえておきましょう。

さらに、売主が宅建業者ではないものの株式会社などの事業者(法人)で、買主が個人(消費者)である場合には、消費者契約法8条・10条が適用される可能性があります。消費者契約法8条は、事業者の債務不履行による損害賠償責任の全部を免除する条項を無効とし、10条は消費者の利益を一方的に害する条項を無効とする一般規定です。宅建業法40条のような「2年」という明確な数字の下限はありませんが、「全部免責」に近い特約は無効と判断されるリスクが高いと考えておくべきです。

 

 

買取業者に売る場合|業者側の免責が前提になりやすい理由

 

不動産会社が買主となる「買取」では、逆に買主である業者側が「契約不適合責任を負わない」という条件を前提に価格を提示することが一般的です。業者は購入後にリフォームや解体を行う前提で買い取るため、契約不適合責任を免責にする代わりに、仲介より価格が下がる傾向があります。訳あり物件や急いで現金化したい場合の選択肢として、買取と仲介のどちらが自分に合っているかを見極めることが重要です。

 

 

免責特約が無効になる3つのケース

 

契約不適合責任の免責特約が無効になる3つのケースを示したチェックリスト型インフォグラフィック

 

免責特約を契約書に入れても、次の3つのケースに当てはまると特約自体が無効になり、売主は責任を免れられません。契約書に一文入れれば安心、というわけではない点を正しく理解しておく必要があります。

 

 

売主が不具合を知りながら告げなかった場合

 

民法572条により、売主が不具合を知りながら買主に告げなかった場合、免責特約があっても責任を免れることはできません。たとえば、雨漏りが過去に発生していたことを知っていながら黙っていた、床下にシロアリ被害があると認識していたのに告げなかった、といったケースが該当します。ここでいう「知りながら」には、明確な認識があった場合だけでなく、通常の注意を払えば当然気づくはずだった「重大な過失」に近いケースも含まれると解釈される場合があります。「うっすら気づいていたが確認しなかった」という状態は、後になって「知っていたはず」と判断されるリスクがあることを理解しておく必要があります。

 

板橋区・川越市の木造密集地域では、隣地との境界に近い場所に地中埋設物(旧建物の基礎やコンクリートガラなど)が残っているケースが少なくありません。売主自身が把握している範囲であれば、免責特約とは別に告知が必要です。
地中埋設物やアスベストなど、解体・売却時に想定外の費用が発生しやすいリスクについては、以下でも詳しく解説しています。


古い家の売却・解体費用リスク回避策|アスベストや地中埋設物対策

 

 

宅建業法・消費者契約法に反する場合

 

前章で触れた通り、売主が宅建業者であれば、引き渡しから2年未満に責任期間を縮める特約は宅建業法40条により無効です。また、売主が事業者(法人)で買主が個人(消費者)の場合、消費者契約法により、事業者の責任を不当に免除する条項は無効と判断される可能性があります。「事業者だから強い立場で特約を決められる」という考え方は誤りです。

 

 

新築物件・築浅物件の場合

 

新築住宅については、住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)により、構造耐力上主要な部分(基礎・柱・梁・耐力壁など建物を支える骨組み)と雨水の浸入を防止する部分(屋根・外壁・開口部の防水部分など)について、引き渡しから10年間の責任を負うことが義務付けられています。

この10年間を短縮する特約は無効です。対象となるのはあくまで「構造耐力上主要な部分」と「雨水の浸入を防止する部分」の2つに限られ、内装や設備機器などはこの10年ルールの対象外である点も押さえておく必要があります。中古住宅の売却が中心の板橋区・川越市エリアでは直接関わる場面は少ないものの、増築部分がある物件などでは念のため確認が必要です。

 

 

「うちの場合はどうなる?」と思ったら

免責特約が有効かどうかは、売主の立場と物件の状態によって変わります。実際に物件を見ないと判断できないことも多いので、一度お気軽に状況をお聞かせください。

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「免責特約は買わない方がいい」と言われる理由と、売主が安心してもらうための対応

 

「免責特約付き物件はやめとけ」という声を目にすることがありますが、一概にそう言えるわけではありません。買主が不安に感じる本当の理由を理解し、売主側が先回りして対応することで、免責特約があっても安心して検討してもらえる物件にできます。

 

 

買主が不安に感じる本当の理由

 

買主が免責特約に不安を感じるのは、「何か隠しているのではないか」という疑念があるからです。免責特約そのものが悪いのではなく、「なぜ免責にするのか」という理由が説明されていないことが不安の正体です。実際、売却を急ぐ事情(相続、転勤、住み替えなど)や、古い物件で細部まで保証しきれないという合理的な理由があれば、買主も納得しやすくなります。逆にいえば、売主側が理由を丁寧に説明できれば、免責特約はマイナス材料ではなく「誠実さの証明」に変えられるということです。

 

・不安の正体①:不具合を隠すための免責だと思われる
・不安の正体②:購入後の修繕費用がいくらかかるか見通せない
・不安の正体③:交渉できる相手(責任の所在)がいなくなる不安

 

 

免責特約を検討する際にインスペクションと合わせて確認すべき5項目のチェックリスト画像

 

インスペクションで免責の正当性を高める

 

免責特約への不安を解消する最も有効な方法が、事前のインスペクション(建物状況調査)です。第三者の専門家が建物の状態を調査した結果を開示した上で免責特約を設定すれば、「隠しているから免責にする」のではなく「状態を明らかにした上で、双方合意のもと責任範囲を決めている」ことが買主に伝わります。

 

 

【免責特約を検討する際のチェックリスト】

・インスペクションを実施し、結果を書面で保管したか
・把握している不具合をすべて告知書に記載したか
・免責の範囲(全部・一部・期間限定)を契約書に明記したか
・売主が宅建業者に該当しないか確認したか
・買主に免責の理由を説明できる状態にあるか

 

インスペクションの費用相場や、値引き交渉を防ぐ効果については、以下の記事で詳しく解説しています。

 

免責特約とインスペクションを組み合わせることで、買主に安心感を与えながら売主のリスクも減らせます。

 

建物状況調査のメリットとインスペクション費用|値引きを防ぎ高く売る

 

 

既存住宅売買瑕疵保険で免責特約のリスクを補う  

 

 

免責特約だけに頼るのではなく、「既存住宅売買瑕疵保険」を組み合わせることで、売主・買主双方の不安をさらに減らせます。この保険は、インスペクションで一定の基準を満たした中古住宅に対して加入でき、引き渡し後に構造耐力上主要な部分や雨水の浸入を防止する部分に不具合が見つかった場合、修補費用等が保険金でカバーされる仕組みです。


保険を利用する最大のメリットは、免責特約と保険が矛盾しない点にあります。「売主は契約不適合責任を負わない」という免責特約を結んでいても、保険に加入していれば、万一の不具合発生時に買主は保険法人から直接保険金を受け取れます。つまり売主にとっては責任を負わずに済み、買主にとっては「何かあっても泣き寝入りしなくて済む」という安心材料になるという、双方にメリットのある仕組みです。

 

・加入条件:インスペクション(既存住宅状況調査)で保険法人の基準を満たすこと
・保険期間:1年または5年(保険法人・プランにより異なる)
・保険料の目安:物件規模や保険期間によって数万円程度からが一般的
・保険金の対象:構造耐力上主要な部分・雨水の浸入を防止する部分の不具合(品確法の10年ルールと同じ範囲)


保険料は決して安い金額ではありませんが、「免責特約付きでも保険加入済み」という物件は、購入希望者にとって「免責特約は買わない方がいい」という不安を大きく和らげる材料になります。とくに相場より価格を抑えて早期売却を目指したい場合や、築古の私道物件・相続物件など、免責特約への抵抗感が生まれやすい物件では、保険加入を検討する価値があります。加入の要否は物件の状態や売却スケジュールによって判断が分かれるため、インスペクションの結果を踏まえて仲介会社と相談することをおすすめします。

 

 

板橋区・川越市で免責特約が特に重要になるケース

 

板橋区・川越市で免責特約が特に重要になる築古住宅密集地域と相続物件のエリア特性を示す地図型インフォグラフィック


板橋区・川越市では、エリア特有の物件事情から免責特約の重要性が高まる場面が多くあります。地域の特性を理解した上で対応することが、トラブル回避と早期成約の両方につながります。

 

 

築古の木造密集地域(私道・地中埋設物リスク)

 

板橋区は木造住宅密集地域が多く、前面道路が私道であるケースや、過去に建て替えを繰り返した土地で地中に旧建物の基礎やコンクリートガラが残っているケースが少なくありません。板橋区が公表している空き家等対策計画でも、老朽木造住宅の密集が課題として挙げられています。こうしたエリアでは、地中埋設物について「掘ってみないと分からない」という不確実性があるため、免責特約と合わせて「地中埋設物が発見された場合の費用負担」を契約書で明確にしておくことがトラブル防止につながります。

また、擁壁のある傾斜地や旧耐震基準の住宅が多い点も、板橋区の物件売却で免責特約の設計が重要になる理由です。板橋区内でも高島平・舟渡など荒川沿いの低地エリアと、常盤台など台地エリアでは地盤の性質が異なり、給排水管や基礎への負担のかかり方にも差が出やすい傾向があります。

 

こうした水害リスクの高いエリアでは、免責特約の設計だけでなく、ハザードマップに基づいた正確な告知と価格設定も欠かせません。

板橋区ハザードマップ|高島平・舟渡の浸水リスクと売却判断

 

相続・空き家物件で「知らなかった」を証明しにくいケース

 

川越市は農地から転用された宅地や、蔵造りの町並みに近い歴史的エリアに隣接する物件など、土地の成り立ちが複雑なケースが見られます。相続によって取得した物件では、売主自身が過去の不具合の有無を把握していないことが多く、「知らなかったので告げなかった」のか「知っていたのに告げなかった」のかが争点になりやすい点に注意が必要です。

相続物件を売却する際は、前所有者(親族)への聞き取りや、可能な範囲での書類確認(増改築の履歴、過去の修繕記録、火災保険の申請履歴など)を行った上で免責特約を設定することをおすすめします。事故物件に該当する可能性がある場合の告知義務についても、あわせて確認しておくと安心です。

また、相続人が複数いる共有名義の物件では、免責特約も共有者全員の合意と署名が必要です。一部の相続人だけの判断で特約を設定すると、後になって他の共有者から「同意していない」と主張されるリスクがあるため、遺産分割協議の段階で認識をそろえておくことが重要です。

 

相続した実家が事故物件に該当するかどうかの判断や、告知義務の範囲について迷う方は、以下も参考にしてください。

板橋・川越の事故物件売却|告知義務の期間と最新ガイドライン

 

相場を知るだけでも、次の一手が見えてきます

免責特約を使うべきか、告知すべき内容は何か。物件ごとに正解が違います。まずは無料査定で、今の物件の状態を一緒に確認しましょう。

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川野代表の実務から見た「免責特約」の現実

 

免責特約で最も多いトラブルは、「特約を入れたから安心」という思い込みから生まれます。センチュリー21加盟店で12年の実務経験を持ち、宅地建物取引士・1級建物アドバイザーの資格を持つ代表・川野元基の視点から、現場での実情をお伝えします。

 

 

「特約さえ入れれば安心」という誤解の落とし穴

 

川越市の戸建てで、お母様から相続した物件のご相談を受けたことがあります。査定価格は1,500万円で、雨漏りの形跡もあるなど劣化がそこそこ進んでいましたが、相続した家だったため、相談者様ご自身は建物の状態を正確に把握されていませんでした。「何も責任を負いたくない」というご希望から契約不適合責任免責を希望されていましたが、免責の範囲には限りがある旨をお伝えし、最終的には建物を取り壊して土地として売却する形に落ち着きました。

 

 

免責特約の実績とトラブル事例

 

免責特約を付けて売却をサポートした案件は、体感で2割程度です。
土地の売買では、地中埋設物が見つかったケースもありました。以前は浄化槽が使われていた土地で、売主様が物件を取得した時点で既に下水道への切り替えが済んでおり、浄化槽の存在をご存じないまま引き渡しに至ったものです。この案件は最終的に契約不適合責任免責の範囲内で処理でき、撤去費用は買主様のご負担となりました。

 

 

板橋区・川越市で見えてきたこと

 

川越市では、価格帯2,000万円以下のエリアで「契約不適合責任を負いたくない」というご相談が多く寄せられます。また、相続物件では免責を求められることが多いのも特徴です。

 

 

免責特約は「付ければ終わり」ではない

 

契約不適合責任免責の文言を入れても、なんでも免責になるわけではありません。契約不適合免責の物件は一般の買主から敬遠されやすく、価格交渉の材料にされやすい点も、売主様には必ずお伝えしています。
免責特約を付けたからといって、なんでも免責になるわけではありません。インスペクションをして、劣化箇所をきちんと伝えることがトラブル回避につながります。ぜひ一度ご相談ください。

 

 

よくある質問

 

Q.契約不適合責任免責特約で雨漏りした場合はどうなりますか?

 

A.免責特約があっても、売主が雨漏りの事実を知りながら告げていなかった場合は責任を免れません。逆に、売主自身も気づいていなかった雨漏りであれば、免責特約により修補や損害賠償の請求を受けない可能性が高くなります。過去の雨漏り歴(修理歴・保険金請求歴を含む)がある場合は、免責特約の有無にかかわらず告知書に記載しておくことが重要です。

実際に雨漏りなどの不具合を発見した場合は、まず売主または仲介会社へ書面(メールでも可)で速やかに通知することが重要です。口頭のみだと後の交渉で「言った・言わない」の争いになりやすいため、発見日・状況・写真を添えて記録に残しておくことをおすすめします。

 

 

Q.契約不適合責任を免責する特約の文例は?

 

A.「売主は買主に対し、本物件の引渡し完了をもって、契約不適合責任を一切負わないものとする」が全部免責の基本形です。対象を限定したい場合は「給排水設備及び雨漏りに関する契約不適合責任について免責とする」のように範囲を明記します。告知書・付帯設備表と連動させる書き方もあり、文例をそのまま流用せず、実際の契約書作成は仲介会社と相談しながら物件の状態に合わせて調整することをおすすめします。

 

 

Q.宅建業者は契約不適合責任を免責する特約を書けますか?

 

A.書くこと自体は可能ですが、宅地建物取引業法40条により、引き渡しから2年未満に責任期間を縮める特約は無効になります。つまり、宅建業者が売主の場合、実質的に「2年間は免責にできない」というのが結論です。個人が売主の場合とは扱いが異なる点に注意が必要です。

 

 

Q.契約不適合責任免責の物件は買わない方がいいですか?

 

A.一概に「買わない方がいい」とは言えません。免責特約があっても、インスペクションを実施し状態を開示している物件や、既存住宅売買瑕疵保険に加入している物件であれば、リスクを理解した上で前向きに検討する価値があります。重要なのは免責特約の有無より、なぜ免責にしているのか理由が説明されているかどうかです。

 

 

Q.契約不適合責任免責のデメリットは?

 

A.買主側は購入後に不具合が見つかっても修理費用を自己負担するリスクがあり、売主側は特約が無効と判断された場合に全責任を負うリスクがあります。売主にとっては、免責の範囲や条件を誤ると特約自体が意味を持たなくなる点が最大のデメリットです。

 

 

Q. 既存住宅売買瑕疵保険に入れば免責特約は不要になりますか?

 

A.不要にはなりません。保険はあくまで「不具合が見つかった際に修補費用を補償する」仕組みであり、契約不適合責任そのものをなくすものではありません。免責特約と保険は役割が異なり、両方を組み合わせることで、売主は責任を負わずに済み、買主は保険でカバーされるという双方にメリットのある形にできます。

 

 

Q.免責特約付きの物件でも住宅ローンは組めますか?

 

A.免責特約の有無自体は、住宅ローンの審査に直接影響しません。金融機関が見るのは物件の担保価値や借主の返済能力であり、契約不適合責任をどちらが負うかという契約条件は基本的に審査対象外です。ただし、物件の老朽化が著しい場合は別の理由で担保評価が下がることがあるため、心配な場合は事前に金融機関へ相談しておくと安心です。

 

 

Q.免責特約をつけると値引き交渉の材料にされませんか?

 

A.免責特約と値引き交渉はセットで語られがちですが、必ずしも連動するものではありません。買主が値引きを求める根拠は「リスクの見えなさ」であるため、インスペクションを実施し状態を開示していれば、免責特約があっても過度な値引き要求を防ぎやすくなります。逆に状態を開示せず免責にするだけだと、買主は不安の分だけ価格に織り込もうとする傾向があります。

 

 

Q. 引き渡し後に買主から不具合の連絡が来たら、売主はまず何をすべきですか?

 

A.連絡を受けたら、まず仲介会社へ速やかに共有し、書面(メールで可)で受領した旨を確認することが第一歩です。免責特約が有効な範囲かどうかは、通知内容と契約書・告知書の記載を照らし合わせて判断する必要があるため、自己判断で対応せず、仲介会社を通じて事実関係を整理することをおすすめします。

 

迷っているなら、まず話だけでも構いません

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株式会社カラーズハウス 代表取締役
川野 元基(かわの げんき)

プロフィール・保有資格:

株式会社カラーズハウス 代表取締役
センチュリー21フランチャイズ加盟店 在籍12年
全国不動産売却安全取引協会認定「おうち売却の達人」
NPO法人不動産売却SOS相談センター 元相談員
宅地建物取引士 / 賃貸不動産経営管理士
1級建物アドバイザー / ホームステージャー2級
不動産写真マイスター

著書

電子書籍『売却前の勝負! 不動産売却のための完全ガイド』

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